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余舫雲竹斎のコラムへ 冨米斎の文房四宝Q&Aへ
文房四宝に関する書籍のうち、特に役立つもので現在比較的入手可能なものを中心にご紹介しています。
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名  称:『清代名墨談叢』
言  語:中国語
著  者:周紹良
発  行:文物出版社
発行年月:1982年5月第1版第1次印刷
サ イ ズ:変形A5(32開本) 271頁
中国定価:2.60元
統一書号:7068・906
概  要: 現代の中国で最も著名な古墨の収集家・周紹良氏が、はじめて清代の墨について世に問うた書籍です。この書籍を継承発展させる形で、次の三部作が完成されていった感があります。古墨の拓片を写真撮りして白黒画像で掲載するなど、当時の苦労が偲ばれます。

名  称:『清墨談叢』
言  語:中国語
著  者:周紹良
発  行:紫禁城出版社
発行年月:2000年9月第1版第1次印刷(印数1-2000冊)
サ イ ズ:変形A4(16開本) 416頁
中国定価:90.00元
ISBN:7-80047-289-2/J・145
概  要: 現代の中国で最も著名な古墨の収集家・周紹良氏が、長年の収集と研究の成果を取りまとめた3部作の一つです。現状で知ることが出来た清朝時代の墨匠を網羅し、その解説と墨の拓片を印刷してまとめられています。掲載された墨の拓片は、原則実物大に印刷されています。周氏は学者としても著名な方で、その研究の詳細さには、舌を巻くばかりです。古墨を勉強している方でしたら、まさに必読の書でしょう。
 日本の中国書籍専門店では取り扱っているところも少なく、出版されてから5年程経ってきましたので、中国の書店でもそろそろ品切れになりそうな状況です。入手しておいて、損はないと思います。

 
名  称:『蓄墨小言』(上)(下)
言  語:中国語
著  者:周紹良
発  行:北京燕山出版社
発行年月:1998年12月第1版第1次印刷(印数1-5000冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 788頁
中国定価:50.00元
ISBN:7-5402-1158-X
概  要: 現代の中国で最も著名な古墨の収集家・周紹良氏が、長年の収集と研究の成果を取りまとめた3部作の一つです。清朝時代の古墨の内、主に文人自用の墨を取り上げ、年代順に解説文と拓片を掲載しています。掲載された墨の数は、およそ300ほど。墨を注文して作らせた文人の概略や、製造した墨匠、さらに収集に至るまでのエピソードなど、読み物的にまとめられています。もともとは、1982年に文物出版社から発行された『清代名墨談叢』に大幅な補筆・改定を行ったものです。
 また、この本の序文は、周紹良氏の兄・周カク(王+玉)良氏の手になるもので、歴代の墨の収蔵家やその墨譜、さらに清朝時代の墨肆の実情などが、非常に簡潔にまとめられた名文です。
 こちらも、出版されてから6年程経ってきましたので、早めに入手しておいたほうがいいものでしょう。

 
名  称:『曹素功制墨世家』
言  語:中国語
著  者:周紹良
発  行:北京古籍出版社
発行年月:2003年4月第1版第1次印刷(印数1-2500冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 231頁
中国定価:17.00元
ISBN:7-5300-0266-X/K・104
概  要: 現代の中国で最も著名な古墨の収集家・周紹良氏が、長年の収集と研究の成果を取りまとめた3部作の一つです。清朝時代を通して最も高名な墨肆であった曹素功について、各代の詳細と初期製品の拓片と解説など詳しく紹介しています。兄・周カク(王+玉)良氏に同様の論文があり、その成果に増補してまとめた感がります。
 また、付録として、清末の徐康・著『ユ叟墨録』の掲載墨を丹念に調べ、その誤りを正した「ユ叟墨録質疑」があります。
 こちらは、3部作中最も知名度が低く、意外と入手しづらい書籍です。

 
名  称:『十六家墨説』
言  語:中国語
著  者:呉昌綬
発  行:中国書店
発行年月:
サ イ ズ:線装本 2冊
中国定価:
ISBN:
概  要: 清末-民国の人物で篆刻家としても知られた呉昌綬が、古墨を論じた貴重な資料をまとめたもの。近年、中国書店から復刻されました。
 内容は、何エン「春渚紀墨」、張寿「墨譜」、ケイドウ「墨談」「墨記」「程君房墨讃」、焦竑「墨苑序」、陶望齢「墨雑記」、顧起元「潘方凱墨序」、項元ベン「墨録」、張謙徳「論墨」、曹度「説墨」、張仁煕「雪堂墨品」、宋犖「漫堂墨品・続墨品」、孫トウ「硯山堂墨譜」、汪紹ショウ「紀墨小言」、邱学ビン「百十二家墨録」、借軒居士「借軒墨存」、徐康「ユ叟墨録」など。

 
名  称:『渉園墨萃』
言  語:中国語
著  者:陶湘
発  行:中国書店
発行年月:
サ イ ズ:線装本 14冊
中国定価:約860.00元
ISBN:
概  要: もとは1929年に刊行された稀覯本ですが、近年中国書店から復刻されました。とはいえ、印刷レベルを問うてはいけません。
 内容は、「墨譜法式」(宋・李孝美)、「墨経」(宋・晁貫三)、「墨史」(元・陸友)、「墨法集要」(明・沈継泉)、「中山狼図」「利マトウ宝像図」(明・程君房)、「墨海」(明・方瑞生)、「墨表」(清・万寿棋)、「鑑古斎墨藪」(清・汪近聖)、「中舟蔵墨録」(民国・袁レイ準)、「内務府墨作則例」、「南学製墨剳記」(民国・謝嵩岱)。

 
名  称:『中国墨文化大観』
言  語:中国語
著  者:王毅
発  行:百花文芸出版社
発行年月:2003年1月第1版第1次印刷(印数1-5000冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 358頁
中国定価:27.50元
ISBN:7-5306-3517-4
概  要: 天津の出版社から出されたもの。とりあえず入手できた古い墨の写真を精査することなく掲載し、中国の墨に関する概要を安直に取りまとめたもの。近年、中国で出版される古美術関係の書籍は、オークションに出品された品物の写真をそのまま転用するだけのものが多い中、それとは違う品物がこの本には掲載されているので、曲がりなりにも役に立つと思います。ただし、残念ながら、中国の書店でも、最近あまり見かけなくなりました。

 
名  称:『方氏墨譜』(明・方于魯編 呉有祥整理)
言  語:中国語
著  者:方于魯
発  行:山東画報出版社
発行年月:2004年2月第1版第1次印刷(印数1-5000冊)
サ イ ズ:縦約25.0×幅約15.0㎝ 231頁
中国定価:30.00元
ISBN:7-80603-770-5
概  要 有名な明朝時代の墨匠・方于魯の墨譜です。もとは6分冊の線装本ですが、それを簡易な形で近年復刻させてのがこの本です。『方氏墨譜』はいろんなところから復刻されているのですが、この本は『四庫全書』に納められている方氏美蔭堂刊行本を基に縮小印刷されたもので、価格的にも一番お手頃にできていると思います。もっとも、印刷自体はなかなか綺麗にできてますので、気軽に使うにはいい資料でしょう。
 今年(2005年)の夏あたりまでは、大概の中国の書店店頭で見かけていたのですが、最近数が減ってきているようです。

 
名  称:『説墨』
言  語:中国語
著  者:桑行之等
発  行:上海科技教育出版社
発行年月:1994年11月第1版 1997年7月第2版印刷(印数1-7200冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 1249頁
中国定価:55.00元
ISBN:7-5428-0984-2/G・828
概  要: これこそまさにアンチョコ本。手に入れた墨に関する古書籍を、写真縮小して印刷するという極めて乱暴な本。あまりに文字が小さいので、読みづらいこと甚だしいのですが、何事もないよりはあった方が役に立つもので(笑)
 内容的には、『十六家墨説』と『渉園墨萃』に、『程氏墨苑』、『方氏墨譜』、「曹氏墨林」、「徽歙芸粟斎墨品」、「如韋館墨評」などを加えて出来ています。 
 ちなみに、この「説」シリーズは、他にも硯や玉など数種類発行されています。

 
名  称:『文房四宝・筆墨』故宮博物院蔵文物珍品大系
言  語:中国語
主  編:張淑芬 楊玲
発  行:世紀出版集団上海科技技術出版社
発行年月:2005年12月第1版印刷(印数1-7200冊)
サ イ ズ:A4 204頁
中国定価:250.00元
ISBN:7-5323-8260-5/J・67
概  要: 北京故宮博物院に所蔵されている文物をオールカラーで掲載しているシリーズものの一冊。文革時に蒐蔵家から寄贈された名墨の多くが、見事な写真で掲載されています。
 墨同様に掲載されている筆もすばらしいのは言うまでもありません。なお、同シリーズには『文房四宝・硯紙』もあります。

 
名  称:『四家蔵墨図録』
言  語:中国語
著  者:葉恭綽、張絅伯、張子高、尹潤生
発  行:上海書店出版社
発行年月:2006年4月第1次出版印刷(印数1-3200冊)
サ イ ズ:A4 160頁
中国定価:28.00元
ISBN:7-80678-476-4/J・233
概  要: 元は、民国時代に北京に集まった墨の蒐集家、葉恭綽、張絅伯、張子高、尹潤生の四氏が、所蔵の明墨を拓片にとり、手稿の解説を付してコロタイプ印刷で出版した稀購本。この度、現代風に容姿を改めて再版されました。
 おそらく、高齢であった尹潤生夫人(2006年2月卒)の余命幾ばくなる故に、再版されたものでしょう。この本を手にして、「私の方がいい明墨を持っている」と思う方がいらっしゃったら、もう一度よくよく熟考された方がいいでしょう(笑)
 価格的にも安価ですので、ご購入をお勧めします。

 
名  称:『墨林史話』
言  語:中国語
著  者:尹潤生
発  行:紫禁城出版社
発行年月:1993年5月第2版第1次出版印刷
サ イ ズ:変形A5(32開本) 145頁
中国定価:7.80元
ISBN:7-80047-137-3/K・60
概  要: 古墨の蒐集家であり、また最も優れた研究者でもあった故・尹潤生氏が、生前に一般普及向けに取りまとめた書籍。内容は、一・墨的起源、二・墨的沿革変遷、三・鑑定方面若干問題、四・墨林人名、別名、室名一覧、古墨ケツ英。内容が貴重なものであるのは無論ですが、掲載された墨の拓片の印刷も上々で、周紹良氏の書籍と同様、古墨のバイブル的な存在と言えるでしょう。

 
名  称:『尹潤生墨苑鑑蔵録』上下
言  語:中国語
著  者:尹潤生・著/尹雨立・整理
発  行:紫禁城出版社
発行年月:2008年6月第1版第1次出版印刷(印数1-3500冊)
サ イ ズ:B5(16開) 426頁
中国定価:75.00元
ISBN:978-7-80047-681-5
概  要: 元は尹潤生氏が生前取りまとめていた『憶竹移雲烟過眼録』を、実娘の尹雨立女士が整理して発行したもの。明墨から民国期の墨まで年代順に網羅された姿は圧巻。解説に付された文章も、尹氏の見識の高さを窺わせるに余りあります。惜しむらくは、掲載されている墨の拓片画像のサイズが、実物と遥かにことなり、まさに画龍点睛を欠く感が否めないことでしょう。
 価格的にも安価ですので、ご購入をお勧めします。

 
名  称:『清墨鑑賞図譜』
言  語:中国語
著  者:趙正範
発  行:上海書店出版社
発行年月:2006年9月第1版一次印刷(印数1-3000冊)
サ イ ズ:A4 220頁
中国定価:150.00元
ISBN:7-80678-525-6/K・96
概  要: 以前日本にいた趙氏が蒐集した古墨を掲載したもの。清末のものが多いものの、200丁にも及ぶ古墨はなかなか圧巻です。

 
名  称:『古墨の知識と鑑賞』
言  語:日本語
著  者:宇野雪村
発  行:二玄社
発行年月:1989年6月26日初版印刷 7月14日初版発行
サ イ ズ:A5 357頁
定  価:3800円
ISBN:4-544-01265-1
概  要: 故・宇野雪村氏が、多くの漢籍をもとに取りまとめたもの。墨匠の多くを網羅して、参考図書として有用。ただし、その内容に新味がなく、痒いところに手が届かない感が無きにしも非ずです。また、掲載されている図版も、今では如何なものかという品が多く、まして、この本をバイブルの如く崇め、外見ばかりか目方まで全く同じものを探す好事家がいるというのには、失笑せざるを得ません。
宇野氏の出版物は少なくありませんが、この本に先立って発行された『古墨』というものより、こちらのほうが知識の深度が明らかに深くなっています。  

 
名  称:『古梅園墨譜』
言  語:日本語
著  者:訳注・解説 松尾良樹
発  行:古梅園15世・松井淳次
発行年月:
サ イ ズ:B5 172頁
定  価:3500円
ISBN:
概  要: 江戸時代、古梅園六代目・松井元泰が刊行した『古梅園墨譜(正・続)』と『古梅園墨談』を縮小・合冊して、簡便な形で復刻したもの。
現代語訳もついて、江戸時代の和墨の状況を知るのにいい資料。  

 
名  称:『古墨 徳川美術館』
言  語:日本語
監  修:徳川黎明会・徳川美術館
発  行:しゃこうしゃ図書販売
発行年月:平成3年10月28日初版発行
サ イ ズ:B4 363頁
定  価:123,600円
ISBN:4-87940-517-5
概  要: 尾張徳川家に伝来した日本屈指の古墨コレクションを、カラー図版に収めた豪華本。ほぼ並行輸入のような感じで収集されたものなので、その品質の高さは折り紙つきです。ただし、清末の丁稚墨が掲載されているなど、収蔵品の整理というものが未確定の感は否めません。
価格が価格ですので、おいそれとは購入できかねる本ですが、一見する価値はあります。  

 
名  称:私家蔵版『清代・墨の物語』
     -清朝時代の古墨に関する基礎知識-
言  語:日本語
著  者:濱田 薫
発  行:冨美堂
発行年月:2003年8月2日第一刷発行
サ イ ズ:A5 126頁
定  価:2,800円
ISBN:
概  要: 拙著。今まで語られることの少なかった、中国の清朝時代の古い墨について書いたものです。内容は、曹素功(芸粟斎)、汪近聖(鑑古斎)、汪節庵(函璞斎)、その他の墨肆(胡開文、汪春山、尺木堂)、清代墨肆一覧表、清代墨肆五家墨品など。一般書店では扱っていない私家蔵版として、当初限定50部で発行したのですが、ご要望が多く幾度か増刷する羽目になってしまいました。手作りなので、一日4部しか作れません(苦笑)。何はともあれ、多謝多謝です。


web硯屋販売価格:8,000円
 
名  称:私家蔵版『残笏居 古墨紀言』
言  語:日本語
著  者:濱田 薫
取 扱 所:冨美堂
発行年月:2007年1月5日第一刷発行
サ イ ズ:A5 286頁
定  価:8,000円
ISBN:
概  要: 拙著。前作『清代・墨の物語』から三年、北京にこもって書き綴っていたものがやっと完成しました。今回は、時代を追いながら、エピソードなどを織り込んで中国の墨の要点をまとめてあります。八十の図版も厳選しておりますので、ご一瞥賜れば幸いです。
 目次内容:自 序/図版編/本 編 一・エピソード ― 伝説の墨匠たち/二・燦々たる明墨の留意点(明墨を語る前に/倣・明墨と油煙・松煙/羅小華/程君房と方于魯/「意専在名」と「多為利」/徽墨三大流派)/三・整斉たり清墨(「明墨にあらずんば」/幻の順治墨/康煕時代の貢墨/真に清墨らしいとは/輝ける乾隆御墨/歪みのない墨/退光の中の清朝墨)/浅学たり!余舫雲竹斎の罵詈雑言‐跋にかえて など。


web硯屋販売価格:4,500円
 
名  称:私家蔵版『残笏居 古墨紀言補』
言  語:日本語
著  者:濱田 薫
取 扱 所:冨美堂
発行年月:2011年2月10日第一刷発行
サ イ ズ:A5 162頁
定  価:4,500円
ISBN:
概  要: 拙著。前作『古墨紀言』から四年、古墨に関する三部作の完結編として取りまとめたものです。今回は、いままで書くのを控えていた古墨の使用感を中心に、古墨とはどういうものなのかを語っています。掲載古墨図版は四十。ご一瞥賜れば幸いです。
 目次内容:自 序/図版編/本 編(1・残笏居 試墨秘帳(はじめに、壱・清朝初期の墨、弐・曹素功の墨、参・汪近聖の墨、肆・汪節庵の墨、伍・その他の墨、陸・余外の要素)/2・残笏居 余話(■倣古墨の概観、【コラム】汪近聖の筆、■夢想―方密庵と汪節庵、◆鉄斎翁書画寶墨変遷略訣◆)/厚顔たり!余舫雲竹斎の罵詈雑言ふたたび‐跋にかえて/墨籍解題(王重民・作「程大約傳」<意訳>))

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