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余舫雲竹斎のコラムへ 冨米斎の文房四宝Q&Aへ
文房四宝に関する書籍のうち、特に役立つもので現在比較的入手可能なものを中心にご紹介しています。
■硯籍解題 ■墨籍解題 ■筆籍解題 ■諸籍解題

名  称:『端渓硯考集成』
言  語:中国語
著  者:広陵古籍刻印社選編
発  行:江蘇古籍出版社
発行年月:1999年1月第1版第1次印刷(印数1-冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 頁
中国定価:33.00元
ISBN:7-80643-160-8/K・46
概  要: 端渓硯を論じた基本文献を集めて一冊にまとめたもの。文字の大きさなど、読みやすい程度に塩梅されていて、なかなか重宝します。
 所収されている文献は、「端石論」「端渓硯坑考」「硯辨」「寶研堂硯辨」「端石擬」「端渓硯志」「端渓硯史」「水坑石記」「端渓硯石考」「端渓硯譜」「端渓硯坑記」の11種。

名  称:『閲薇草堂硯譜』
言  語:中国語
著  者:紀昀
発  行:湖北美術出版
発行年月:2002年8月第1版印刷(印数1-1500冊)
サ イ ズ:縦約15.2×幅約33.1㎝(8開本) 114頁
中国定価:48.00元
ISBN:ISBN:7-5394-1284-4/K・19
概  要 中国の清朝・乾隆時代を代表する文人官僚であった紀暁嵐の硯譜です。紀氏没後、遺族によって旧蔵の硯の拓片を取りまとめて『紀文達公硯譜』というものがごく少数部作られ、その後、民国時代にこの硯譜を手に入れた徐世昌(第四代大総統)が、その普及版としてコロタイプ印刷で出版したものが『閲微草堂硯譜』にあたります。当書籍は、徐世昌が作ったコロタイプ版の硯譜を忠実に再現して、2002年に出版されたものです。
私は、徐氏のコロタイプ版のものを所有していますが、それと比較しても、内容的に見劣りしないほど、よく再現されています。現代中国を代表する書家・啓功氏が、高齢をおして題書したのもうなずけます。偶に、徐氏のコロタイプ版が古書店に出たとすると、大体10万円前後の値段がつくかと思いますので、これははお手頃でしょう。
 ちなみに、日本の中国書専門店の多くは、同じ徐氏のコロタイプ版を写真撮影して作られた『閲微草堂硯譜』を販売しています。そちらは、サイズも徐氏のものとは明らかに異なりますし、あまりほめられた出来ではないと思うのですが、不思議とこれは扱っていないことが多いようです。
 古い硯を勉強するためには必読書と言えるものです。

 
名  称:『天津市芸術博物館蔵硯』
言  語:中国語
著  者:天津市芸術博物館・編
発  行:文物出版社
発行年月:1979年12月第1版第1次印刷(印数1-2400冊)
サ イ ズ:変形B4(8開本) 146頁
中国定価:38.00元
ISBN:
概  要: 天津市芸術博物館収蔵古硯の内120面を、白黒写真に収めたもの。この博物館の収蔵古硯は、民国第四代大総統であった徐世昌とその実弟、徐世章のコレクションを、遺族が寄贈して成り立ったもの。民国時代の古硯コレクションとしては白眉のものであり、日本国内などではなかなか目にすることが出来ないレベルの佳品が多くを占めています。
 残念ながら、白黒写真であるため、その実態を把握し辛いのですが、それでもなお、参考資料として優良でしょう。
 なお、近年、当博物館は改修・拡張され、これらの古硯コレクションを常設展示するようになった旨、伝え聞いております。

 
名  称:『天津市立芸術博物館蔵硯』
言  語:中国語
著  者:天津市芸術博物館・編
発  行:中国出版対外貿易公司
発行年月:1989年9月手拓(限定40部)
サ イ ズ:線装本 2冊
中国定価:
ISBN:
概  要: 上記と同じく、天津市立芸術博物館の収蔵古硯を実拓にとり、限定部数で発行されたもの。白黒写真よりも拓片の方が、古硯の雰囲気をよく伝えてくれます。
 近年、この書籍を撮影し、簡易・縮小した「中国歴代名硯拓譜」(天津人民美術出版社)が発行され、そちらはお求めやすいでしょう。

 
名  称:『帰雲楼斎硯譜』
言  語:中国語
著  者:徐世昌
発  行:廣陵書社
発行年月:
サ イ ズ:線装本 2冊
中国定価:
ISBN:
概  要: 民国第四代大総統であった徐世昌の古硯コレクションの拓を集めたもの。少数部数の実拓本だったと思われますが、近年それを写真に撮って印刷・刊行したものが、当書籍です。
 徐氏の古硯コレクションは、実弟の徐世章に引き継がれた後、天津市立芸術博物館に寄贈されていますので、上記博物館の蔵硯譜と比較検討してみるのも面白いでしょう。
 ただし、拓本を写真にとって発行するという荒っぽい作りなので、用いるには注意が必要でしょう。

 
名  称:『蘭千山館硯譜』
言  語:中国語
著  者:蘭千山館館主・林柏寿
発  行:蘭千山館館主・林柏寿
発行年月:1968年9月初版印刷(印数500冊)
サ イ ズ:線装本 2冊(上冊104頁、下冊106頁)
定  価:
ISBN:
概  要: 蘭千山館館主・林柏寿氏旧蔵の古硯コレクションを、白黒コロタイプ印刷の写真版で発行したもの。林柏寿は、台湾の富豪一族として知られる板橋の林氏の一人。現在、氏のコレクションは、台北・故宮博物院に寄贈されています。
 この書物は、林氏生存中に発行されてもので、当時の印刷レベルとしては高いものがあったのでしょうが、今日においてはなお不満が残るできといえるでしょう。この後、カラー写真版の『蘭千山館名硯目録』が、故宮博物院から発行されています。

 
名  称:『蘭千山館名硯目録』
言  語:中国語
編  者:国立故宮博物院編輯委員会
発  行:国立故宮博物院
発行年月:1987年10月初版
サ イ ズ:B4 470頁
定  価:
ISBN:
概  要: 前記、蘭千山館館主・林柏寿氏旧蔵の古硯コレクションを、カラー写真版でまとめ、台湾故宮博物院から発行されたもの。109面の硯の写真が掲載されています。
 写真がどれだけ真実を伝えているかは別として、なかなか参考にはなるでしょう。意外と上記の『蘭千山館硯譜』よりも目にする機会が少ないように思います。

 
名  称:『中華古硯』
言  語:中国語
著  者:王代文・蔡鴻如 他
発  行:江蘇古籍出版社
発行年月:1998年6月第1版 第2次印刷(印数1-1000冊)
サ イ ズ:変形 241頁
中国定価:450.00元
ISBN:7-80519-911-6
概  要: 現代中国に伝わる古硯と思われるものを、全国各地から選別、写真掲載したもの。内容的にどうかと言うと、あまり話したくはないものなのですが(苦笑)、中にはまともなものも掲載されています。少なくとも、今の中国の古硯のレベルを知るにはいい資料でしょう。

名  称:『中華古硯譜』
言  語:中国語
著  者:王念祥・張善文
発  行:北京工芸美術出版社
発行年月:2005年6月第1版第1次印刷(印数1-3000冊)
サ イ ズ:変形B4(16開本) 327頁
中国定価:580.00元
ISBN:7-80526-587-9/J・414
概  要: 2人の中国人個人コレクター所蔵の硯と、旧・天津市立芸術博物館(現・天津博物館)所蔵の硯のカラー図版246面からなる書籍。正直、二人の個人コレクターの硯はどうでもいいのですが、天津の硯がカラーで見れるのはこ書籍がはじめてかと思います。新刊本ですので、ご入用の方はお早めにお求め下さい。

 
名  称:『文房四宝・硯紙』故宮博物院蔵文物珍品大系
言  語:中国語
主  編:張淑芬
発  行:世紀出版集団上海科技技術出版社
発行年月:2005年12月第1版印刷(印数1-7200冊)
サ イ ズ:A4 232頁
中国定価:250.00元
ISBN:7-5323-8261-5/J・68
概  要: 北京故宮博物院に所蔵されている文物をオールカラーで掲載しているシリーズものの一冊。北京故宮旧蔵の古硯が見事な写真で掲載されています。
 硯同様に掲載されている紙もすばらしいのは言うまでもありません。なお、同シリーズには『文房四宝・筆墨』もあります。

 
名  称:『端渓硯史』
言  語:中国語
著  者:呉蘭修
発  行:中国書店
発行年月:1992年12月第1版第1次印刷(印数1-5000冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 144頁
中国定価:4.30元
ISBN:7-80568-369-7/J・102
概  要: 清代道光年間に発行された呉蘭修の著名な硯書『端渓硯史』を、近年小型の冊子に復刻し中国書店から刊行されたもの。
 使い勝手がよくて、重宝します。

 
名  称:『硯林●録』
言  語:中国語
著  者:馬丕緒
発  行:中国書店
発行年月:1992年2月第1版 1992年3月第1次印刷(印数1-3000冊)
サ イ ズ:変形A5(32開本) 194頁
中国定価:5.80元
ISBN:7-80568-368-9/J・101
概  要: 民国時代の馬丕緒が著したもの。もとは線装本4冊(五巻)からなり、各時代の硯書の重要箇所の抜書きで構成されています。これは、上記『端渓硯史』同様、近年小型の冊子として再版されたもの。
 ただし、残念ながら、もとの線装本の第五巻に付されていた「附表」を欠くかたちでまとめられています。

 
名  称:『端渓硯譜七種』
言  語:日本語
著  者:井上研山・編 中谷裕亮・訳
発  行:二玄社
発行年月:1990年11月10日初版印刷 11月20日初版発行
サ イ ズ:B5 261頁
定  価:4500円
ISBN:4-544-01266-X
概  要: 京都にいた故・井上研山氏の意図のもとに、中谷裕亮氏が端渓硯に関する基本文献7冊を和訳して取りまとめたもの。和訳といいながら、ほとんどは読み下し文に近いのですが、流石に京大の先生方の協力を得てまとめただけあって、各編の前に付された解題は白眉と言えます。
 惜しむらくは、訳者にもう少し老坑水巌石の知識があればと思うばかりです。  

 
名  称:『訳補端渓硯史』
言  語:日本語
著  者:呉蘭修・編 石川舜台・訳
発  行:二玄社
発行年月:1979年6月10日初版印刷 6月20日初版発行
サ イ ズ:B5 217頁
定  価:2500円
ISBN:
概  要: 東本願寺派の僧侶であった石川舜台氏が、知己の求めに応じて呉蘭修の『端渓硯史』を和訳したもの。漢文に馴染みの深いかつての僧侶ならではの訳出で、興味深いものがあります。
ただ、序文などを省略しているのは如何にも残念。やはり、可能であれば原典と比較しながら読まれるのがいいでしょう。  

 
名  称:『古名硯』
言  語:日本語
著  者:国立博物館
発  行:国立博物館
発行年月:1951年12月5日印刷 1951年12月10日発行
サ イ ズ:A5 86頁
定  価:350円
ISBN:
概  要: 昭和26年(1951)に上野の国立博物館で開催された古硯展のカタログ。この展覧会は、国立の機関で開催された唯一のもので、当時硯界の権威であった坂東貫山氏の指揮のもと開催されました。
ただし、その成果は、好悪相半ばするものだったようです。このカタログの発行部数が少部数に止まっていることからも、当時の状況がうかがい知れるように思います。  

 
名  称:『四君子庵硯譜』
言  語:日本語
著  者:北畠雙耳・釣石・編
発  行:大胡九華
発行年月:1974年1月31日発行(限定500部)
サ イ ズ:B5 75頁
定  価:
ISBN:
概  要: 四君子庵こと、大胡九華氏の所蔵古硯を白黒写真に撮ってまとめたもの。当時、大胡氏は古硯コレクターの間では知らぬ者がいないほど高名な方でした。解説は、北畠両氏で、断定好きの件の名調子で書かれています。
 発行部数など限られたもので、なかなか貴重な資料でしょう。  

 
名  称:『中国の名硯』
言  語:日本語
著  者:
発  行:五島美術館
発行年月:1977年7月発行
サ イ ズ:A4 144頁
定  価:
ISBN:
概  要: 1977年7月1日~31日に東京・五島美術館で開催された「特別展 文房具シリーズⅠ 中国の名硯」のカタログ。当時の著名な蒐集家や書道家所有の古硯を一堂に会して開かれたもので、総数253面の硯が白黒写真で掲載されています。
 当時の日本人にとって、中国古硯とはどのようなものであったかを知るにはいい資料。ただし、老坑水巌石に関しては、問うことのないように。  

 
名  称:『文房具名品展-富山・綿貫家コレクション-』
言  語:日本語
著  者:
発  行:五島美術館
発行年月:1970年10月発行
サ イ ズ:A4 94頁
定  価:
ISBN:
概  要: 昭和45年(1970)10月15日~11月16日の期間に、富山の綿貫コレクションを展観した際のカタログ。北陸屈指の美術コレクションですが、天津市立芸術博物館の収蔵品などと比較すると、正直、如何なものでしょうといった感があります。  

 
名  称:『観硯録』
言  語:日本語
著  者:北畠 雙耳・五鼎
発  行:講談社
発行年月:1984年11月28日第一刷発行
サ イ ズ:A4 208頁
定  価:5,000円
ISBN:4-06-201681-8
概  要: かつて一世を風靡した北畠両氏の硯譜。50面の硯のカラー図版と、北畠両氏独特の解説文が付されています。
 今では、中国人からも「不要」と言われてしまう硯譜なのですが、全部が全部滑っているわけでもなく、参考資料程度にはなるでしょう。

 
名  称:『硯に導かれて』
言  語:日本語
著  者:大南キチ
発  行:
発行年月:平成21年5月1日発行
サ イ ズ:B5 127頁
定  価:2,500円
ISBN:
概  要: 硯石収集家・大南キチ女士の蔵品図録。女士が長い年月をかけて収集した蔵品の一部が掲載されています。


セット特別価格:4,000円
 
名  称:『冨米斎 養硯譜抄』
言  語:日本語
著  者:
発  行:冨美堂
発行年月:2011年1月10日第一刷発行
サ イ ズ:B5 三冊
定  価:セット特価4,000円
ISBN:
概  要: 三十五周年を迎える硯石専門店の冨美堂が、その集大成として取りまとめる真品の古硯の硯拓譜。この抄録は、硯拓を複写縮小して印刷したもので、現在壹、貮、參の三冊が刊行中。掲載された逸品の実物を目にすれば、古硯とは如何なるものか、認識を新たにすること請け合いdす。

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